重量物運搬台車のメリットとは?使い方・商品比較のポイントなどを解説

公開日:2025/11/20
重量物と運搬台車

鋼材・長尺物などの重量物を運べる運搬台車をうまく使えば、作業効率の向上やコスト削減を図れます。安全で働きやすい職場環境を作れるため、事業の成長につなげましょう。

ただし重量物運搬台車の使い方を誤ると、労働災害や荷物の破損などのリスクが高まるため要注意です。本記事では重量物運搬台車のメリットや使い方、台車選びのポイントを解説します。

「運搬台車の使い方だけでなく、安全管理や人員配置の課題も解決したい」「運搬をプロに任せられたらいいのに」という場合、ウチダフレイトへ相談してみてはいかがでしょう。80年余りの経験と実績に基づくトータルサポートを強みとしており、貴社の状況をふまえた最適なプランをご提案します。物流事業の立ち上げや小さなお困りごとなど、様々なご相談を無料で受け付けているので、以下のページから気軽にお問い合わせください。

重量物運搬台車のメリットとは?

運搬台車で重量物を運ぶ人

重量物運搬台車は、機械・設備・資材など、人の力では難しい荷物の運搬を可能にし、作業効率を高めてくれます。しかし、その利点は効率だけにとどまりません。

ここでは作業効率・コスト・安全性のメリットがある重量物運搬台車のメリットについて、わかりやすく解説していきます。

重量物を効率よく運べる

長尺物や鋼材などの重量物を運ぶ際は通常、重機が必要です。しかし適切な重量タイプの台車を使えば、少人数で運搬できます。

フォークリフトが通れない狭い通路やクリーンルームなどでも、小型の平台車を使えばスムーズに運搬作業ができます。実際の現場では、機械搬入や資材運搬の際に、台車の使用が多く見られます。

さらに、平台車を2台連結使用するなど、工夫次第で荷台サイズを超える大型の荷物も運搬可能です。このように運搬台車を使うと効率よく重量物を運べる点がメリットです。

コストを抑えられる

重量物運搬台車を使うことで、フォークリフトなどの使用回数が減る場合、重機のリース・購入費用の他、燃料費やメンテナンス費などのコストを抑えられます。さらに、重機オペレーターなどの専門資格者が不要になるため、人員配置の調整コストや人件費の削減も可能です。

運搬作業が効率化されることで総作業時間が短縮され、全体の人件費を削減できます。重機に比べて重量物運搬台車の方が安価な傾向があり、故障リスクや維持管理の手間が少ない点もメリットです。

安全性が向上する

重量物を人力で運搬することによる、作業員の腰痛、ぎっくり腰、転倒といった労働災害の発生リスクを抑えられます。カゴ台車や両袖ハンドル式など、状況に合わせた適切な台車を使うことで、運搬中の荷崩れや商品・荷物の落下を防ぎ、物損事故のリスクも軽減可能です。

運搬台車で重量物を運ぶ方法

倉庫で運搬台車を使い、重量物を運ぶ人

基本的な操作方法や、平台車2台を用いた運び方など、運搬台車を使って、重量物を安全かつ効率的に運ぶ方法を解説します。重量台車を軽く動かすコツなども紹介するので、お役立てください。

重量物運搬台車の基本操作

安全の基本として、台車ごとに定められた「最大積載荷重(耐荷重)」を超えて商品や荷物を載せないことが重要です。基準を超える使用は、台車の破損や転倒事故につながる原因となります。

また荷物の積み下ろし時や一時停止時には、台車が不意に動かないよう「ストッパー」をかけましょう。ストッパーをかけ忘れると、転倒や衝突事故の発生リスクが高まるからです。

荷物の安定性を高め、転倒を防ぐための原則である「重い物は一番下、かつハンドル側」に積むという重量バランスを意識すると、運搬中の安定性が向上します。前方が見えないと衝突事故の原因になるため、荷物の高さにも要注意です。

重量台車を軽く動かすコツ

重量台車が動き出す際の「始動抵抗力」は、車輪と路面の相性で変わります。コンクリートの路面・凹凸のある箇所など、使用環境に合った車輪材質を選ぶことは、運搬作業の効率性を左右する重要な要素です。

一般的に「車輪の直径(車輪径)」が大きいほど、また「車輪の材質が硬い」ほど、床との抵抗が少なく、荷重が大きくても軽く動かしやすいです。始動前に「自在キャスター」の向きを進行方向に揃えておくと、旋回抵抗がなくなりスムーズに始動できます。

荷物の重量が特定のキャスターに集中しすぎると操作しづらくなるため、荷物をなるべく均等に分散させることも大切です。

カーブ通過時のポイント

曲がり角は死角になりやすく人や物に衝突する危険性が高いため、一時停止して左右の安全を確認しましょう。人や障害物の有無を確認し、周囲に台車の接近を知らせると、より安全に運べます。

台車は構造上、内輪差が発生して内側をこすりやすいので、曲がる際は外側に大きく膨らんで曲がりましょう。狭い通路を頻繁に通る場合は、全輪自在キャスターなど、小回りが利きやすい台車を選ぶことも大切です。

平台車2台での運搬方法

長尺物や大型機械、引越し時の大型家具など、1台の台車の荷台に収まらない重量物を移動させる際は、以下のように平台車2台を連携する運搬方法を検討しましょう。

  • 1.準備・配置
    長尺物や大型機械などの運搬したい荷物の両端を安定して支えられるよう、適切な間隔をあけて平台車2台を配置します。
  • 2.積み込み
    クレーンやハンドリフトを使用し、荷物をゆっくりと降ろします。2台の平台車に均等に荷重がかかり、荷物が安定するように載せます。
  • 3.運搬
    荷物が安定していることを確認したら、荷崩れや落下に細心の注意を払いながら、2台の台車を置き場まで慎重に運搬します。
  • 4.荷下ろし
    設置場所付近で、ハンドリフトを台車と台車との間に差し込みます。荷物ごとゆっくりと持ち上げ、完全に持ち上がったら2台の平台車を抜き取ります。その後、輪木などを敷いた所定の位置に、ハンドリフトで荷物を降ろして作業完了です。

安全性を確保するため、上記の作業はハンドリフトなどの機器を使い、複数人で運搬しましょう。

重量物運搬台車の選び方:比較ポイントを解説

次は自社に合う重量物運搬台車を選ぶ方法を解説します。各商品のどこを比較すればいいのかを把握して、ニーズに合う運搬台車を選びましょう。

①形状

台車の形状は、運ぶ商品や荷物の特性、作業内容をふまえて選ぶことが大切です。

平台車
ハンドルがなく荷台より大きな重量物も運べ、汎用性が高い特徴があります。

手押し台車
「固定ハンドル式」は頑丈で耐久性に優れ、「折りたたみ式」は収納に便利という利点があります。

長尺物運搬台車
「サイドハンドル式」や「両袖ハンドル式」は、パイプや板材(尺物)を立てかけて運搬時の安全性を高めることが可能です。

カゴ台車(金網付き台車)
カゴ状で荷崩れしやすい小物や不定形な商品を安全に運搬するのに適しています。

2段式・3段式台車
ピッキング作業などで細かい部品や複数の商品を仕分けながら運ぶのに便利です。

②素材

以下のように台車の材質を選ぶポイントは、耐久性や荷物の重量、使用環境によって異なります。

スチール台車
耐久性が高く衝撃に強いが錆びやすい特性を持ちます。重量物運搬や衝撃が加わりやすい現場向きです。

樹脂製
軽量で扱いやすく、錆びにも強いため水気のある場所でも使えますが、衝撃に弱い点が欠点です。

ステンレス製
耐久性・防錆性に優れ、衛生的です。クリーンルームや食品・医療現場に適していますが、他の材質より高価な特徴があります。

アルミ製
軽量性と防錆性を兼ね備え、ステンレスより安価です。衛生的に使用したい場合など、多様な環境に対応可能です。

③耐荷重

運搬する商品や荷物の「最大重量」を事前に把握し、耐重量に余裕のある台車を選ぶことが大切です。複数の荷物を一度に運ぶ場合は、個々の重量ではなく「総重量」が耐荷重の範囲内に収まっているかを確認しましょう。

耐荷重が大きくなるほど台車本体の重量も増し、操作性が低下する場合があるため、荷物の重さに適した台車を選ぶことが大切です。

④キャスター

台車の操作性(動かしやすさ)は、キャスターの種類と配置によって決まります。キャスターの種類は、一方向にしか進まない「固定キャスター」と、360度旋回する「自在キャスター」の2種類に分けられます。

キャスターの配置については、以下をご覧ください。

固定2輪・自在2輪
最も一般的で、直進安定性に優れます。直進が多い場合は固定を後輪(押し手側)にすると操作しやすく、小回り(方向転換)が多い場合は自在を後輪にすると楽に旋回できる場合があります。

全輪自在
直進安定性には欠けますが、その場で旋回できるなど、狭い場所での小回りが非常に得意です。

車輪の材質 車輪の材質は、始動の軽さ、静音性、床への影響に関わります。

ゴム車輪

弾性があり、走行音が静かで、床に走行跡がつきにくい特長があります。

ウレタン車輪
ゴム車より耐油性・耐摩耗性に優れ、始動抵抗が低い傾向があります。

ナイロン車輪
最も硬く、始動抵抗が低いため重量物向きですが、走行音が大きく、床を傷つけやすい場合があります。

車輪径が大きいほど、始動が楽になり、小さな段差や溝を乗り越えやすくなります。一方で、荷台の高さが上がってしまうため、荷物の積み下ろしのしやすさとのバランスを考慮して選びましょう。

⑤価格・送料・配送日

運搬台車を通販サイトなどで購入する際は、価格だけでなく、送料や配送条件を確認しましょう。送料無料と記載されていても、例外的に送料が発生する場合があります。

「一向に届かない…」「使いたい時に間に合わなかった…」という状況を避けるため、当日出荷・届け日指定対応など、運搬台車がいつ届くかの確認も大切です。

まとめ

運搬台車で重量物を運ぶ際は、耐荷重・ストッパーなどに関するルールを決め、適切な使い方をすると、安全かつ効率よく運べます。平台車2台での運搬やキャスターの特性を活かした使い方を意識すると、さらに生産性を高められます。適切な運搬台車を選べるよう、耐荷重や形状に注意して商品を比較しましょう。

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