物流加工と流通加工の違いとは?業務内容やメリットも解説


物流業務において、よく聞く単語に「物流加工」、「流通加工」があります。しかしながら、物流加工と流通加工が具体的にどのような業務を指し、両者にどのような違いがあるのか、知らない方も多いのではないでしょうか。物流加工業務、流通加工業務の業務改善を行うにあたって、基本的な知識を改めて理解しておくことは重要です。そこで本記事では、物流加工と流通加工それぞれの概要と違い、具体的な業務内容、外注することで得られるメリットについて解説していきます。
物流加工と流通加工の違いとは?

本項では、物流加工と流通加工それぞれの概要や、違いについて解説します。
物流加工とは
物流加工とは、物流倉庫内にある商品の配送準備を整える工程全般を指す言葉です。
物流加工に該当する業務としては、商品の在庫管理、出荷準備や検品といったものが挙げられます。後述する流通加工よりも、より広い範囲を含めた物流倉庫内での業務が物流加工です。
流通加工とは
流通加工とは、商品に付加価値をつける加工作業全般を意味する言葉です。物流加工と比較すると、消費者のために商品を加工し、万全な状態へと整えていくのが流通加工業務となります。
具体的には、商品の販売に必要となる値札やラベル付け、包装、梱包などが流通加工の作業に該当します。
物流加工と流通加工の違い
ここまで述べた内容を踏まえると、物流加工と流通加工の違いは業務の目的という点にあります。
物流加工が箱詰めや出荷準備など、商品の配送を滞りなく行うための準備に目的がある一方、流通加工は商品を消費者のもとへと届けるために必要となる付加価値(値札やラベル付けなど)を付与する目的があります。
物流加工と流通加工はよく混同されがちではありますが、業務の目的に大きな違いがあることは理解しておきましょう。
物流加工と流通加工の業務内容

物流加工と流通加工には明確な違いがあることは前項で解説しました。では、それぞれ具体的な業務内容にはどのようなものがあるのでしょうか。本項では、物流加工と流通加工の業務内容についてそれぞれ解説します。
物流加工の業務内容
物流加工には、以下の業務が含まれています。
- 検品:商品に傷や汚れがないか確認する作業
- 箱詰め:商品を配送用の箱に詰める作業
- 在庫管理:在庫数の管理及び入庫数・出庫数の管理
- 出荷準備:注文を受けた商品を出荷できる状態にする作業
物流加工にあたる業務は配送前の事前準備全般です。商品の配送に関わる加工業務となるため、在庫管理や、出荷準備などの業務も物流加工の業務内容に含まれます。 加工、という単語はついているものの、物流加工業務は配送準備にかかわる業務全般と捉えておきましょう。
流通加工の業務内容
一方、流通加工にあたる業務内容としては、以下の業務が挙げられます。
- ラッピング:商品を袋や箱に入れ、消費者のもとに届けられる状態にする
- 値札付け:商品に値札やタグを付ける
- ギフト用包装:ギフト用の商品を指定された箱や袋にラッピングする
- 検針:アパレル商品に縫製時の針が入っていないか確認する
- 商品組み立て:家電製品やPCなどの部品を組み立てる作業
- カッティング:木材やガラス材を定められた大きさにカットする作業
- プレス加工:アパレル商品のシワをアイロンで伸ばす作業
値札付けやラッピングなど、商品販売に必要な工程が流通加工にあたる一方、木材やガラスのカッティングや洋服のシワを伸ばすプレス加工も流通加工の業務です。
流通加工業務に共通するのは、商品を万全な状態にする、という点です。配送の効率化というよりも、商品の状態を整え、消費者のもとに届けられる状態にするのが、流通加工業務の目的となっています。
物流加工と流通加工を外注すべき状況とは?
物流加工、流通加工業務の外注を検討している企業も多いのではないでしょうか。そこで本項では、物流加工、流通加工を外注した方がよいケースについて解説します。
社内のリソースが不足している
自社製品の物流加工、流通加工を補うには、大きなリソースを割く必要があります。加工業務を行う場所、作業を行う人材など、リソースの種類はさまざまです。
自社で物流加工を行う設備が十分ではない、加工業務に割ける人的リソースがない場合、物流加工、流通加工を他社に外注するのが一般的といえます。
業務の効率化が必要
物流加工、流通加工業務を行うには、専門的なスキル、知識が求められます。物流加工、流通加工に関する知識やスキルが不足しており、業務効率に課題がある場合、外注が無難です。
物流加工、流通加工を請け負っている企業に業務を外注することで、知識やスキルを持った人材が業務を行ってくれるため、業務効率が向上し、商品の配送や加工を効率的に行えるようになります。
コスト削減の必要性
物流加工や流通加工を自社で賄う場合、設備費用や人件費など、大きなコストが発生します。物流加工、流通加工にかかるコストが大きく、負担となっている企業も多いのではないでしょうか。
コスト面で負担が大きく、課題となっている場合には、他社に物流加工、流通加工を外注することで課題の解決に繋がるでしょう。
物流加工と流通加工を外注するメリットとは?
本項では、物流加工と流通加工を外注することで得られるメリットについて解説します。
業務効率化
まず挙げられるのは物流加工業務、流通加工業務の業務効率化です。自社で業務を賄う場合、人的リソースが足りない、スキルを持った人材がいないといった理由から、業務が非効率に陥ってしまう可能性があります。
業務が非効率化してしまうと配送効率の低下、商品の品質が下がってしまうなど、さまざまな問題に繋がります。 その点、物流加工、流通加工を請け負っている業者に業務を委託することで、整った設備環境下で専門知識を持った人材が業務を行ってくれるため、物流加工業務、流通加工業務の効率向上が見込めます。
コスト削減
自社で物流加工や流通加工を行う場合、人件費や設備費がかかる分、かなりのコストが発生します。その点、業務を外部に委託することで、ある程度のコスト削減に繋がる点も外注のメリットとして挙げられるでしょう。
物流加工や流通加工にかかるコストが圧迫している場合には、外注を検討するのが無難といえるでしょう。 なお、外注を検討する場合、複数の業者に見積もりを出してもらい、比較検討することをおすすめします。
顧客満足度向上
物流加工や流通加工の業務を外注することで、顧客満足度の向上も期待できます。専門業者に業務を委託することで業務効率が向上し、結果として商材の配送効率向上が見込めます。
配送効率が向上することで、商材が消費者の手に滞りなく渡るようになるため、サービスの質が改善され、顧客満足度の向上といった効果が期待できるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。本記事では、物流加工や流通加工の概要や両者の違い、具体的な業務内容や業務を外注すべきケース、外注することで得られるメリットについて解説しました。物流加工や流通加工を自社で賄うリソースがない場合、外注することでサービスの質を向上させることが可能です。本記事の内容を参考にしつつ、物流加工、流通加工業務の外注を検討してみてはいかがでしょうか。