物流業界の女性比率とは?データで見る現状と女性が少ない理由・対策を解説

「物流業界で女性がどのくらい働いており、女性が少ないことが自社の配送・保管にどのような影響を及ぼすのかがわからない」という方のため、政府のデータをもとに、物流業界の女性比率と女性が少ない理由、荷主企業が進めるべき対策をまとめました。女性が働きやすい職場づくりと安定した物流体制の構築のために是非お役立てください。
本記事の概要
- 職種と必要な資格、データで見る物流業界の女性比率
- 長時間労働や体力面の負担など、女性が少ない理由と荷主への影響
- 荷待ち削減・ホワイト物流・3PL活用など、荷主企業が進めるべき対策
物流業界の女性比率は、総務省の統計で運輸業,郵便業が約2割と全産業の約半分にとどまります。荷主企業にとっても、担い手不足で荷物を運べないリスクにつながると考えられるため、早めの対策が大切です。
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物流業界で女性が活躍する職種とは?ドライバー・倉庫・事務の役割と必要な資格
物流業界で女性が活躍する職種は、一般にトラックドライバー・倉庫作業・事務の3種類に分かれるといわれ、必要な資格やスキルも職種ごとに異なります。仕事内容と、労働安全衛生法施行令※1・労働安全衛生規則※2による資格は以下のとおりです。
| 職種 | 主な仕事内容 | 必要な資格やスキル |
| トラックドライバー | 荷物の集荷・配送、積み降ろし | 車両の大きさに応じた運転免許 |
| 倉庫作業 | 入出荷・ピッキング・検品・在庫管理 | 最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合は、フォークリフト運転技能講習の修了など |
| 事務・管理 | 受発注・配車・伝票処理 | パソコンスキルなど |
警察庁の資料※3によると、運転免許は主に車両総重量で分かれ、普通免許は3.5トン未満、準中型免許は7.5トン未満、中型免許は11トン未満、大型免許は11トン以上の自動車を運転できます。
物流業界の女性比率とは?データで見る業界全体と運転職の現状

物流業界の女性比率は、総務省の統計で倉庫業を含む運輸業,郵便業という業界全体では約2割、トラック運転手を含む運転などの職業では約5%にとどまります。本章では、総務省と厚生労働省の統計をもとに、物流業界で働く女性の現状を解説します。
「運輸業,郵便業」の女性比率は約2割で、全産業の約半分
総務省の労働力調査によると、2025年の「運輸業,郵便業」の就業者345万人のうち女性は78万人で、全産業の45.8%を大きく下回る22.6%です。総務省の統計※1と厚生労働省の調査※2による、女性の割合は以下のとおりです。
| 区分 | 全産業 | 運輸業,郵便業 |
| 就業者に占める女性の割合 (2025年平均) | 45.8% | 22.6% |
| 課長相当職以上(役員を含む)に占める女性の割合 (2025年10月1日時点) | 13.8% | 9.4% |
| 係長相当職以上(役員を含む)に占める女性の割合 (2025年10月1日時点) | 16.2% | 12.0% |
総務省の労働力調査※1によると、「運輸業,郵便業」の女性比率は2015年の18.8%(就業者336万人のうち女性63万人)から、10年で約4ポイント上昇しました。
一方で全産業との差は大きく、常用労働者10人以上の企業を対象とする厚生労働省の調査※2では、管理職に占める女性の割合も全産業を下回っています。
総務省の日本標準産業分類※3では、「運輸業,郵便業」に倉庫業が含まれています。
※2:厚生労働省「「令和7年度雇用均等基本調査」の結果概要」
トラック運転手を含む「輸送・機械運転従事者」の女性は約5%
職業別に見ると、2025年のトラック運転手を含む「輸送・機械運転従事者」は214万人のうち女性が10万人と4.7%で、10年前より増えたものの1割に届きません。総務省の職業別の統計※1による、「輸送・機械運転従事者」の推移は以下のとおりです。
| 年 | 輸送・機械運転従事者 | うち女性 | 女性比率 |
| 2015年 | 218万人 | 6万人 | 2.8% |
| 2025年 | 214万人 | 10万人 | 4.7% |
総務省の日本標準職業分類※2では、「輸送・機械運転従事者」に自動車運転従事者のほか、鉄道運転従事者や定置・建設機械運転従事者なども含まれます。女性の人数は10年で4万人増えましたが、運転の仕事の担い手は大半が男性のままです。
物流業界の人手不足に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【物流コラム】物流業界の人手不足とは?データで見る現状と原因、解決策を解説
物流業界で女性が少ないのはなぜ?体力負担や長時間労働などの理由

物流業界で女性が少ないのは、長時間労働や低い所得という労働環境と、手作業の荷役など体力面の負担が重なっているためといわれています。主な理由と、国土交通省の資料※1・※2による根拠となる数値は以下のとおりです。
| 理由 | 内容 | 根拠となる数値 |
| 長時間労働 | トラックドライバーの年間労働時間が全産業より長い | 大型トラック2,544時間、中小型トラック2,508時間、全産業2,136時間(2023年) |
| 低い所得 | トラックドライバーの年間平均賃金が全産業より低い | 大型トラック485万円、中小型トラック438万円、全産業507万円(2023年) |
| 手作業の荷役・荷待ち | 積み降ろしや荷待ちで拘束される時間がある | 1運行あたりの荷待ち・荷役等時間は2時間2分(2025年度) |
上記の他にも更衣室や休憩スペースが整っていないなど、設備不足により、女性が少ない現場もあると考えられます。国土交通省の「トラガール促進プロジェクト」※3では、オートマチック車への切り替えや、男女別や鍵のかかるシャワールームの整備など、女性ドライバーが働きやすくなる企業の取り組みが紹介されているため、参考にしてください。
※2:国土交通省「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果の公表」
※3:国土交通省「トラガール促進プロジェクト 企業向け情報」
女性が働きにくい物流は荷主にも影響する?人手不足と輸送力不足のリスク
女性を含む担い手が増えない物流のままでは輸送力の不足が続き、荷主企業の調達や出荷、さらに納期にまで影響が及ぶと考えられます。国土交通省の資料※1によると、対策を講じなければ2030年度に輸送能力が約34%不足する可能性があるとされています。
国土交通省などの「ホワイト物流」推進運動※2では、女性や60代の運転者等も働きやすい労働環境の実現を目的の一つに掲げ、荷主と物流事業者の連携を求めています。
物流業界の今後に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【物流コラム】物流業界の今後はどうなる?2030年のリスクと荷主が進めるべき5つの対策
物流業界の女性活躍を進めるには?荷待ち削減・ホワイト物流・3PL活用など荷主が進める対策
物流業界の女性活躍を進めるには、荷主企業が荷待ちや手荷役を減らし、誰もが働きやすい条件を物流事業者と一緒に整えることが大切です。一般に以下の対策が有効といわれています。
| 対策 | 具体的な取り組み |
| ①荷待ち・荷役時間の削減 | 予約受付やパレット化で、荷待ちと手作業の荷役を減らす |
| ②発注・納品条件の見直し | リードタイムの確保や発注量の平準化で、急な小口配送を減らす |
| ③「ホワイト物流」推進運動への賛同 | 自主行動宣言を提出し、物流事業者と働きやすい条件を話し合う |
| ④3PLの活用 | 物流の専門事業者に業務を任せ、設備と人手の確保をまとめて委託する |
国土交通省によると、2025年4月施行の改正物流効率化法で、荷主企業にも荷待ち・荷役等時間の短縮などの努力義務が課されました。2026年4月からは、一定規模以上の荷主などに中長期計画の作成や定期報告が義務付けられています※。
持続可能な物流体制を構築するためには、荷主企業と物流事業者がデータに基づいて歩み寄り、効率的な仕組みを共同で導入することが重要です。「女性も働きやすい物流体制に見直したいけど、自社の力だけでは難しい…」という場合、3PLの活用を検討しましょう。3PLとは荷主企業に代わって物流戦略の立案や、入荷・保管・流通加工・配送などを専門事業者が包括的に受託する仕組みのことで、倉庫や車両への設備投資と人手の確保が負担になるという課題を解決するために役立ちます。
3PLを活用する場合、ウチダフレイトがおすすめです。10tと2.8tの天井クレーンを備えた合計990坪の大型クレーン倉庫を中心に、創業80年余りの重量物物流の実績と流通加工業務を含めた3PL業務においてはお客様からの信用・信頼を構築しているからです。
※国土交通省「物流効率化法について(荷主・物流事業者の皆様へ)」
まとめ
物流業界の女性比率は、総務省の統計で「運輸業,郵便業」が約2割と全産業の約半分にとどまるなど、女性の活躍が進みにくい状況です。そのため荷待ち・荷役の削減や3PLの活用など、女性も働きやすい物流体制づくりが大切です。
「自社だけで人材確保に対応できるか不安」「重量物の保管や配送を任せられる委託先を探したい」という場合、80年余りの実績を誇るウチダフレイトにご相談ください。ウチダフレイトは、10tや2.8tの天井クレーンを備えた合計990坪の大型倉庫を保有しており、鉄鋼母材や大型建機・建材などの重量物の保管から流通加工、広域配送までワンストップで対応いたします。物流アウトソーシング(3PL)による中長期的な体制構築をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。