物流業界の人手不足とは?データで見る現状と原因、解決策を解説

「物流業界の人手不足の実態や、それが自社の配送・保管にどのような影響を及ぼすのかがわからない」という方のため、政府のデータをもとに、人手不足の現状と原因、荷主企業が進めるべき対策をまとめました。安定した物流体制を築くために是非お役立てください。
本記事の概要
- 有効求人倍率と人手不足感のデータで見る、物流業界の人手不足の現状
- 高齢化や2024年問題など、人手不足が起きる3つの原因と荷主への影響
- 荷待ち削減・省人化・3PL活用など、荷主企業が進めるべき対策
物流業界の人手不足は、厚生労働省の統計でドライバー職の有効求人倍率が全職業の約2.4倍に達するほど深刻です。荷主企業にとっても、荷物を運べないリスクや物流コストの上昇につながると考えられるため、早めの対策が大切です。
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物流業界の人手不足の現状とは?データで見るドライバー・倉庫の人材不足
物流業界の人手不足は、厚生労働省の統計で、ドライバー職を中心に倉庫を含む業界全体に広がっていることが示されています。本章では、厚生労働省の統計をもとに、物流業界の人手不足の現状を解説します。
ドライバー職(自動車運転従事者)の有効求人倍率は全職業の約2.4倍
ドライバー職の有効求人倍率は、厚生労働省の統計で全職業の約2.4倍となっており、人材を確保しにくい職種といえます。厚生労働省の職業別の統計※によると、2026年7月の求人倍率(常用・パートタイムを含む実数)は以下のとおりです。
| 職業 | 有効求人倍率 | 新規求人倍率 |
| 全職業(職業計) | 1.05倍 | 2.04倍 |
| ドライバー職 | 2.53倍 | 3.84倍 |
有効求人倍率が2.53倍とは、求職者1人に対して2件以上の求人がある状態です。前年同月からの低下も0.05ポイントにとどまっています。
倉庫業を含む「運輸業・郵便業」は人手不足感が特に高い業種
倉庫業を含む「運輸業,郵便業」は、厚生労働省の調査で、人手不足感を示すD.I.が調査産業計を上回る業種です。総務省の日本標準産業分類では、運輸業,郵便業に倉庫業が含まれています※。
厚生労働省の調査※によると、2026年5月1日時点の労働者過不足判断D.I.は以下のとおりです。
| 区分 | 運輸業,郵便業 | 調査産業計 |
| 正社員等 | 55ポイント | 47ポイント |
| パートタイム | 33ポイント | 27ポイント |
労働者過不足判断D.I.は、人手が「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」と答えた割合を引いた値で、値が大きいほど人手不足感が強いことを示します。倉庫の人手不足に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【物流コラム】物流倉庫における課題とは?課題解決に向けた取り組みも解説
物流業界の人手不足はなぜ起きる?高齢化や2024年問題など3つの原因と荷主への影響

物流業界の人手不足は、ドライバーの高齢化と厳しい労働環境、2024年問題、EC市場の拡大という3つの原因が重なって起きていると考えられます。国土交通省の資料※によると、EC市場の拡大に伴い、宅配便の取扱個数は約50億個に達しています(令和6年度)。
※国土交通省「令和7年10月の宅配便の再配達率は約8.3%」
高齢化と長時間労働・低年収による「ドライバーのなり手不足」と運賃の上昇
トラックドライバーは、国の資料で、長時間労働などの労働環境から人材確保が容易ではなく、平均年齢も全産業より高いとされています。2022年以降の経済産業省などの資料※による、全産業との比較は以下のとおりです。
| 項目 | 全産業と比べたトラックドライバーの状況 |
| 平均年齢 | 3〜6歳程度高い |
| 年間労働時間 | 約2割長い |
| 年間所得額 | 約1割低い |
※経済産業省・国土交通省・農林水産省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」
国土交通省は、ドライバーの賃上げの原資を確保するため、2024年3月にトラックの「標準的な運賃」の運賃水準を8%引き上げました※。
荷主企業にとっては、物流コストが増える要因になると考えられます。
2024年問題による稼働時間の減少と「輸送能力約34%不足」の見通し
2024年問題とは、トラックドライバーの時間外労働の上限規制などにより、物流の停滞が懸念される問題とされています。国土交通省の資料※によると、2024年4月から時間外労働に年960時間の上限が適用され、何も対策を講じなければ2030年度に輸送能力が約34%不足する可能性があるとされています。
荷主企業にとっては、必要なときに荷物を運べないリスクが高まると考えられます。物流業界の今後に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
【物流コラム】物流業界の今後はどうなる?2030年のリスクと荷主が進めるべき5つの対策
物流業界の人手不足の解決策とは?荷待ち削減・省人化・3PL活用など荷主が進める対策

物流業界の人手不足の解決策として、国は荷主企業にも荷待ち・荷役等時間の短縮などを求めており、少ない人手でも回る物流体制づくりが重要です。荷主企業の主な対策としては、一般に以下の取り組みが有効といわれています。
| 対策 | 具体的な取り組み |
| ①荷待ち・荷役時間の削減 | 予約受付やパレット化で、荷待ちと手作業の荷役を減らす |
| ②発注・納品条件の見直し | リードタイムの確保や発注量の平準化で、急な小口配送を減らす |
| ③設備による省人化 | 自動倉庫や搬送機器で、倉庫内の作業を減らす |
国土交通省によると、2025年4月施行の改正物流効率化法で、荷主企業にも荷待ち・荷役等時間の短縮などの努力義務が課されました。2026年4月からは、一定規模以上の荷主などに中長期計画の作成や定期報告が義務付けられています※。
※国土交通省「物流効率化法について(荷主・物流事業者の皆様へ)」
持続可能な物流体制を構築するためには、荷主企業と物流事業者がデータに基づいて歩み寄り、効率的な仕組みを共同で導入することが重要です。「人手不足に備えて物流体制を見直したいけど、自社の力だけでは難しい…」という場合、3PLの活用を検討しましょう。3PLとは荷主企業に代わって物流戦略の立案や、入荷・保管・流通加工・配送などを専門事業者が包括的に受託する仕組みのことで、倉庫や車両への設備投資と人手の確保が負担になるという課題を解決するために役立ちます。
3PLを活用する場合、ウチダフレイトがおすすめです。10tと2.8tの天井クレーンを備えた合計990坪の大型クレーン倉庫を中心に、創業80年余りの重量物物流の実績と流通加工業務を含めた3PL業務においてはお客様からの信用・信頼を構築しているからです。
まとめ
物流業界の人手不足は、厚生労働省の統計でドライバー職の有効求人倍率が全職業の約2.4倍に達するなど、深刻な状況です。そのため荷待ち削減や省人化、3PLの活用などによる対策が大切です。
「自社だけで人手不足に対応できるか不安」「重量物の保管や配送を任せられる委託先を探したい」という場合、80年余りの実績を誇るウチダフレイトにご相談ください。ウチダフレイトは、10tや2.8tの天井クレーンを備えた合計990坪の大型倉庫を保有しており、鉄鋼母材や大型建機・建材などの重量物の保管から流通加工、広域配送までワンストップで対応いたします。物流アウトソーシング(3PL)による中長期的な体制構築をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。